概要
Spotfire Server端末のIPアドレス(ホスト名、FQDNを含む)が変更された場合にはその設定をSpotfire Server内の設定に反映させる必要がある場合があります。設定変更を反映させない場合はSpotfire Serverが正しく動作しなくなる可能性があります。
この資料はSpotfire Server内の設定変更手順について説明します。
動作検証環境
本資料は以下の環境で動作検証したうえで作成しておりますが、10.10 LTS~12.0 LTSまでは適用可能です。
・Spotfire Server 12.0.4 LTS
・Spotfire Analyst 12.0.3 LTS
Spotfire Server内の設定変更
Spotfire Server端末のIPアドレス(ホスト名、FQDNを含む)が以下の7か所の通信に使用されている可能性があります。IPアドレスが変更された後にそれぞれの通信に影響がないかを確認したうえで、必要に応じて設定変更を行ってください。
本資料ではSpotfire Server端末のIPアドレスが以下のように変わる場合を例に各部分の設定変更手順について説明します。
・変更前:192.168.100.1
・変更後:192.168.200.1
また、設定変更前には以下のSpotfire ServerやNode Managerサービスを停止し、変更後にサービスを起動してください。
・TIBCO Spotfire Server 12.0.4 LTS
・TIBCO Spotfire Node Manager 12.0.4 LTS
①リポジトリDBへの接続
リポジトリDBがSpotfire Serverと同じ端末内に構築されている場合にのみ必要です。
Spotfire ServerからリポジトリDBへの接続情報は以下のファイル内に記載されております。
・C:\tibco\tss\12.0.4\tomcat\webapps\spotfire\WEB-INF\bootstrap.xml
リポジトリDBへの接続情報(Database URL)にはDBサーバー端末のホスト名(またはIPアドレス、FQDN)が含まれているため、該当アドレスが変更された場合は以下の手順で設定変更を実施してください。
①Spotfire Server端末内で、以下のバッチファイルを実行してConfiguration Toolを起動してください。
※起動時にConfiguration Toolのパスワードが必要です。
・C:\tibco\tss\12.0.4\tomcat\spotfire-bin\uiconfig.bat
②起動後に「Bootstrap」タブにて「Database URL」の部分をご確認ください。
本例(リポジトリDBにPostgreSQLを使用)の場合は以下のようになります。
・jdbc:postgresql://192.168.100.1:5432/spotfire_server1204
③「Database URL」内のIPアドレス(またはホスト名、FQDN)に変更があった場合、「Edit bootstrap」ボタンを押して変更してください。
※ここには「localhost」、「127.0.0.1」などのループバックアドレスを指定しても構いません。
下記のように「Hostname」部分に新しいIPアドレスを指定して、「Test connection」で接続テストが成功した後に、「Save bootstrap」ボタンを押して保存してください。
「Test connection」ボタンで接続テストが成功した場合のメッセージは以下です。
「Save bootstrap」ボタン押下で保存時に以下の上書きのメッセージが提示されますが、「Yes」を押して進めてください。
保存成功後に以下のメッセージが表示されます。OKを押して閉じてください。
②アクションログDBへの接続
アクションログ機能が有効に設定されており(デフォルト設定では無効)、かつアクションログDBがSpotfire Serverと同じ端末内に構築されている場合にのみ必要です。
アクションログDBへの接続情報にはDBサーバー端末のホスト名(またはIPアドレス、FQDN)が含まれているため、該当アドレスが変更された場合は以下の手順で設定変更を実施してください。
①Spotfire Server端末内で、以下のバッチファイルを実行してConfiguration Toolを起動してください。
※起動時にConfiguration Toolのパスワードが必要です。
・C:\tibco\tss\12.0.4\tomcat\spotfire-bin\uiconfig.bat
②起動後に「Configuration」タブにて「User Action Log」を開いて「Hostname」の部分をご確認ください。
本例の場合は以下のようになります。
・Hostname: 192.168.100.1
③「Hostname」に指定されているIPアドレス(またはホスト名、FQDN)に変更があった場合は新しいアドレスを入力して、「Test connection」ボタンで接続テストが成功した後に「Save configuration」ボタンを押して保存してください。
※ここには「localhost」、「127.0.0.1」などのループバックアドレスを指定しても構いません。
「Test connection」で接続テストが成功した場合は以下のメッセージが表示されます。
「Save configuration」ボタン押下時に以下の画面が表示され、「Database (recommended)」を選択して進めてください。
次に以下の画面が表示され、コメント(任意文字列、変更内容がわかるものを推奨)を記入して「Finish」を押して保存を完了させてください。
保存成功後に以下のメッセージが表示されます。OKを押して閉じてください。
③Public Addressの変更
Spotfire ServerのPublic Addressとはクライアント(Analyst、Consumer)からSpotfire Serverへアクセスする際に使用されるURLのことですが、クライアント端末から接続できる必要があります。URLにIPアドレスが指定されており、かつ変更があった場合はPublic Addressも合わせて変更する必要があります。
①Spotfire Server端末内で、以下のバッチファイルを実行してConfiguration Toolを起動してください。
※起動時にConfiguration Toolのパスワードが必要です。
・C:\tibco\tss\12.0.4\tomcat\spotfire-bin\uiconfig.bat
②起動後に「Configuration」タブにて「Public Address」を開いて「Public address URL」の部分をご確認ください。
本例の場合は以下のようになります。
・http://192.168.100.1:1200/
③Public Addressを変更する場合には、「Yes」を選択して、「Public address URL」部分に新しいURLを「http[s]://host:port/」の形式で入力してください。
・本例:http://192.168.200.1:1200/
入力後に一旦その上の「Security」画面(またはほかの画面でもよい)に移動してまた「Public Address」画面に戻ってきて、新しいURLが表示されていることを確認してください。これでPublic Addressが更新されます。(「Save configuration」の実施は不要です)
④Spotfire Server内部通信用アドレス
Spotfire Server環境新規構築時にbootstrap(リポジトリDBへの接続)を作成する際には以下の画面が示している「Addresses」部分にSpotfire Server端末のIPアドレス(ホスト名、FQDNを含む)が指定(デフォルト設定ではサーバー端末のアドレス情報を自動検知して指定されます)されています。これらのアドレスはSpotfire Server間(複数台のSpotfire Serverが構築されている場合)の通信、またはSpotfire ServerとNode Manager間の通信に使用されますが、クライアントからの通信には使用されませんので、ホスト名またはIPアドレス、FQDNのいずれか(1つのみでもよい)を必要最小限に指定してもかまいません。また、複数アドレスが指定されている場合は上から優先に利用されます。
上記のAddressesにIPアドレスが指定されておりかつIPアドレスに変更があった場合、以下の手順でAddressesを合わせて変更する必要があります。
①Spotfire Server端末内でOS管理者権限でコマンドプロンプトを起動して、以下のインストール先フォルダに移動してください。
・C:\tibco\tss\12.0.4\tomcat\spotfire-bin
②以下のコマンドを実行して現行のAddressesの一覧を取得してください。
config.bat list-addresses
※コマンド実行時にConfiguration Toolのパスワードが必要です。
コマンド実行後のコンソール出力例は以下です。
③以下のコマンドを実行して、内部通信用アドレスを再設定できます。
※ここには「localhost」、「127.0.0.1」などのループバックアドレスを指定してはいけません。
config.bat set-addresses -Awinx.mshome.net -Awinx -A2408:832e:24b4:6580:6065:6426:3b25:8347 -A192.168.200.1
引数「-Axxx」(-Aとxxxの間にスペースがない)を1つまたは複数個指定し、変更後IPアドレスやその他のアドレス(必要に応じて)を指定します。
④設定後にもう一度アドレスの一覧を取得してIPアドレスが正しく変更されていることを確認してください。
config.bat list-addresses
⑤NodeからSpotfire Serverへの接続
NodeとはWeb Player、Automation Services、TERRサービス、Pythonサービスが構築されているNode Managerのことを言います。
Node側の設定にはSpotfire Server端末のIPアドレス(ホスト名、FQDN)が指定されていますので、Spotfire ServerのIPアドレスが変わった場合にはNode側の設定を変更する必要があります。
Node端末内に以下のファイルをテキストエディタで開いてご確認ください。
・C:\tibco\tsnm\12.0.4\nm\config\nodemanager.properties
例:
IPアドレスが指定されておりかつ変更があった場合には上記のファイルにある以下の行を変更してください。
以下の行にはSpotfire Server端末のアドレスを指定してください。
※ここに指定されているSpotfire Serverのアドレスは上記の「config.bat list-addresses」コマンドで出力されたアドレスの一覧に含まれている必要があります。
※ここには「localhost」、「127.0.0.1」などのループバックアドレスを指定してはいけません。
server.name=192.168.200.1
以下の行を丸ごと削除してください。次回Node Managerサービス再起動時に自動的に生成されます。
nodemanager.supervisor.known=winx.mshome.net\:1202-1201
⑥Spotfire ServerからNodeへの接続
NodeがSpotfire Serverと同じ端末内に構築されている場合にのみ必要です。
Spotfire ServerからNodeへ通信する際に使用するNodeのアドレスは上記⑤と同じファイル内に記載されています。
・C:\tibco\tsnm\12.0.4\nm\config\nodemanager.properties
このファイルにある以下の行にはNodeのアドレスを指定します。IPアドレスが指定されていて、かつ変更があった場合は新しいIPアドレスを指定してください。
※ここには「localhost」、「127.0.0.1」などのループバックアドレスを指定してはいけません。
nodemanager.host.names=192.168.200.1
注意事項:
Nodeのアドレスを変更してNode Managerサービスを再起動した後にNodeが正常に起動しない、かつ下記のログファイルに警告(The CSR was rejected by the server Node)が出力されている場合、該当Nodeに対して一旦「Revoke trust」を行ってください。
・C:\tibco\tsnm\12.0.4\nm\logs\nm.log
WARN 2023-05-09T10:21:12,076+0900 [*Initialization*] nodemanager.trust.CertificateMonitor: The CSR was rejected by the server Node [serverName=192.168.200.1, port=1202]. It may already have a CSR for this node.
「Revoke trust」はWeb管理画面「Nodes & Services」⇒「Network」にて行えます。
その後にNode Managerサービスを再起動すると該当Nodeが「Untrusted nodes」に表示されますのでTrustしてください。
⑦Statistics Servicesへの接続
Statistics ServicesがSpotfire Serverと同じ端末内に構築されている場合にのみ必要です。
Spotfire Statistics Services(TERRまたはRなど)がSpotfire Serverと同じ端末内に構築されており、かつSpotfire Statistics ServicesのURLにIPアドレスが使用されていて、そのIPアドレスに変更があった場合には以下の手順でSpotfire Statistics ServicesのURLを合わせて変更する必要があります。
Spotfire管理者権限でAnalystへログインし、ツール⇒管理マネージャーを開いて、「設定」タブにて「Everyone」グループを選択して、以下の項目に新しいIPアドレスを指定してください。
・TIBCO Spotfire Statistics Services
⇒StatisticsServices
⇒R URL:http://192.168.200.1:1206/R/ (本例)
⇒TIBCO Enterprise Runtime for R URL:http://192.168.200.1:1205/TERR/ (本例)
この設定変更を実施した後にはAnalystを閉じて再度起動すると設定変更が反映されます。Spotfire Serverサービスの再起動は不要です。
Web PlayerやAutomation Servicesの場合はNode Managerサービスのみを再起動して設定変更を反映させてください。
⑧Analystとの接続
AnalystのログインダイアログにはSpotfire ServerのURLが指定されていますが、そのURLにIPアドレスが使用されている場合、IPアドレス変更後にログインダイアログにてURLを編集してください。
①Analystのログインダイアログにて「サーバーの管理」を押してください。
②対象URLを選択して「編集」を押してください。
③新しいIPアドレスを入力しOKを押してください。
④ログインダイアログに戻って、新しいIPアドレスが指定されていることを確認したうえで、通常通りにユーザー名とパスワードを入力してログインしてください。