Spotfire Server 12.0.0 LTSより、Web Player (WPと略称)/Automation Servic(ASと略称)のサービスポート番号が自動的に重複を避けるように仕様変更されました。
11.4までのバージョンではWP/ASサービスとも同じポート番号(デフォルトでは「9501」)へ追加できますが、12.0LTSではWP/ASサービスを追加しようとする際に、サービス追加画面で指定したポート番号が同一Node Managerの下にあるほかのサービスの動作ポート番号と重複している場合には自動的に未使用のポート番号を割り当てるようになりました。
※同一Node Managerの下にWPとASサービスを同時にインストールすることはシステム要件上は非推奨です。
影響範囲
以下のようにサービスを構成する場合には今回の仕様変更に影響されます。
- 同一Node Managerの下にWPとASサービスの両方とも構成する場合
- 同一サービスの下に複数インスタンスを構成する場合
今回の仕様変更により、WP/ASサービス・インスタンスを追加する際には必ずしも追加画面で指定したポート番号を使用するように構成されるわけではないため、サービス・インスタンスを追加した後には必ず一度実際に使用されているポート番号を確認し、ファイアウォールルールを作成して該当ポート番号への受信を許可するように実施してください。
また、12.0LTS以降のバージョンでも、WP/ASサービス・インスタンスを追加した後に動作ポート番号を手動で編集して同じものに変更した場合は正常に動作します。
動作確認環境
本資料に記載している動きは以下のいずれの環境にも動作確認ができています。
- Spotfire Server 12.0.0 LTS
- Spotfire Server 12.0.9 LTS
- Spotfire Server 14.0.1 LTS
デフォルトのポート番号で複数サービスを追加
Node Managerの下にサービスが1つも存在しない状態で、最初からWeb Playerサービスを追加しようとする際、サービス追加画面(「Create new service」画面、以下同)にはポート番号がデフォルトで「9501」になっています。
サービス追加後、ポート番号「9501」を使用するよう構成されます。
続いてAutomation Servicesサービスを追加しようとする際にも同様にサービス追加画面にはポート番号がデフォルトで「9501」になっています。
サービス追加後、ポート番号「9502」を使用するように構成されます。
ここでは自動的にWeb Playerのポート番号との重複を避けて次の利用可能なポート番号を使用するように仕様変更されています。
WP/ASのサービス追加画面にはポート番号が常に「9501」になっていることにご注意ください。
上記で実施した内容は以下の表のように整理します。
順番 | サービス | 追加画面にデフォルト表示されるポート番号 | 追加画面で指定したポート番号 | 実際に使用されるポート番号 |
---|---|---|---|---|
1 | Web Player | 9501 | 9501 | 9501 |
2 | Automation Services | 9501 | 9501 |
9502 ※今回の仕様変更により |
※仕組み上は「9501」から空いているポート番号を探して使いますので、「9502」を固定で使用するわけではありません。
同じポート番号で複数サービスを追加
Node Managerの下にサービスが1つも存在しない状態で、WP/ASサービスをすべて同じポート番号で追加した場合は以下の結果になります。
順番 | サービス | 追加画面にデフォルト表示されるポート番号 | 追加画面で指定したポート番号 | 実際に使用されるポート番号 |
---|---|---|---|---|
1 | Web Player | 9501 | 7391 | 7391 |
2 | Automation Services | 9501 | 7391 |
9502 ※今回の仕様変更により |
※仕組み上は「9501」から空いているポート番号を探して使いますので、「9502」を固定で使用するわけではありません。
異なるポート番号で複数サービスを追加
Node Managerの下にサービスが1つも存在しない状態で、WP/ASサービスを異なるポート番号で追加した場合は以下の結果になります。
通常はこのように異なるポート番号を使ってサービスを追加してください。
順番 | サービス | 追加画面にデフォルト表示されるポート番号 | 追加画面で指定したポート番号 | 実際に使用されるポート番号 |
---|---|---|---|---|
1 | Web Player | 9501 | 9501 | 9501 |
2 | Automation Services | 9501 | 9502 | 9502 |
複数WP/ASインスタンスを追加
既存WP/ASサービス(配下にインスタンスが1つ追加済み、「9501」ポート番号を使用)に対して新たにインスタンスを同じくポート番号(「9501」)へ追加する場合、追加されたインスタンスが重複のないポート番号(「9502」)を使用するように構成されます。
ポート番号の変更
インスタンスを選択してEditボタンを押してポート番号を変更することができます。
12.0LTS以降のバージョンでも、WP/ASサービス・インスタンスを追加した後に動作ポート番号を手動で編集して同じものに変更した場合は正常に動作します。
既知問題
Node Managerを選択して表示されるサービスの一覧画面には、Automation Servicesサービスのポート番号の表示が正しくありません。下記の例ではASの場合には「9501」と表示されていますが、実際には「9502」を使用しています。
本件問題についてTIBCO社に改善を依頼しておりますが、当面は対象サービスまたはインスタンスを選択して実際に使用されているポート番号を確認してください。
参考(TERR/Python/Rサービス)
TERR/Python/Rサービスの場合、サービス・インスタンス追加画面が表示される際には重複のないポート番号が最初から表示されます。例えばすでに「9501」ポートで動作するほかのサービスが存在している場合にTERR/Python/Rサービスを追加しようとするとサービス追加画面にはポート番号「9502」が表示されます。
ですので、TERR/Python/Rサービスの場合は必ず重複のないポート番号を使用するようになっていますので、本件の仕様変更とは関係ありません。
WP/ASサービスとTERR/Python/Rサービス間は挙動が少し異なります。
- WP/ASの場合、サービス追加画面にはポート番号が常に「9501」と表示され、該当ポート番号がすでに使われている場合は空いているポート番号を探して使います。
- TERR/Python/Rサービスの場合、サービス追加画面には最初から重複のないポート番号が表示されます。