本資料は分析ファイル(*.dxpファイル)のバージョンを確認する方法、および特定のバージョンの分析をどのバージョンのAnalyst で開けるかについて情報を整理いたします。
動作確認環境
本資料は、Spotfire 14.0 LTS / 14.4 Innovationバージョンがリリースされている時点(2024/11現在)で動作確認して作成しています。
より新しいバージョンの製品がリリースされる際に仕様が変わる可能性があります。
分析ファイルのバージョン確認
分析ファイルのバージョンは保存時に使っていたAnalystのバージョン(バージョン番号「X.Y.Z」先頭の「X.Y」部分のみ)に従います。
例えばAnalyst 12.0で保存した分析ファイルのバージョンは12.0となります。
ローカル分析ファイルのバージョン確認
ローカル分析ファイルを汎用解凍ソフト(例えば7-Zip)で開き、中にある「Metadata.xml」ファイルをテキストエディタで開いてバージョンを確認できます。
下記例では、分析ファイルのバージョンは12.0となります。
11.8と11.4の部分は、前方互換性が保証されているバージョンになります。(後述参照)
Metadata.xml
<?xml version="1.0"?>
<FileMetadata xmlns:xsd="http://www.w3.org/2001/XMLSchema" xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance" DocumentType="Analysis" SchemaVersion="1.0" CompatibilityVersion="12.0;11.8;11.4">
<Contents>
<Property ArchiveElementType="AnalysisDocument" Version="12.0" ArchiveElementPath="AnalysisDocument.xml" />
<Property ArchiveElementType="AnalysisDocument" Version="11.8" ArchiveElementPath="11.8-AnalysisDocument.xml" />
<Property ArchiveElementType="AnalysisDocument" Version="11.4" ArchiveElementPath="11.4-AnalysisDocument.xml" />
<Property ArchiveElementType="EmbeddedResources" Version="12.0;11.8;11.4" ArchiveElementPath="EmbeddedResources.xml" />
</Contents>
<Properties>
<Property Key="SavedByAssemblyFileVersion" Value="56.9.19606.2237" />
<Property Key="EmbeddedDataFormatVersion" Value="2" />
</Properties>
</FileMetadata>
ライブラリ内の分析ファイルのバージョン確認
ライブラリ内の分析ファイルのバージョンは「ファイルとデータ」フライアウト、または「ライブラリーの管理」画面から確認できます。Web画面「Library」からは分析のバージョンを確認できません。
ライブラリ内の分析の「プロパティの編集」画面を開いて、「プロパティ」タブにて「Format Version」からバージョンを確認します。
下記例では、分析のバージョンが14.0となります。
12.5と12.0の部分は、前方互換性が保証されているバージョンになります。(後述参照)
Format Version 14.0;12.5;12.0
「ファイルとデータ」フライアウト:
「ライブラリーの管理」画面:
ライブラリー内の分析をバージョン指定で検索
「ファイルとデータ」フライアウト、または「ライブラリーの管理」画面、Web画面「Library」から、バージョンを指定して分析をライブラリから検索することができます。
例えば以下の検索条件を指定してバージョンが14.0の分析を検索できます。これで前述のプロパティ「Format Version」の値が「14.0」と前方一致する分析の一覧を取得できます。
format_version:14.0
「ライブラリーの管理」画面:
「ファイルとデータ」フライアウト:
Web画面「Library」:
補足:
- 通常、検索条件(format_version:14.0)には1つのコロン「:」を指定してください。
- 2つのコーロンを指定した場合(format_version::14.0)は「前方一致」ではなく「完全一致」での検索となります。
- 文字列の比較で検索するため、範囲(例えば format_version:>10)での検索は実施できません。
- ほかの検索条件と組み合わせて利用することも可能です。詳細についてはAnalyst のユーザーガイド(ヘルプ⇒ヘルプトピック)をご参照ください。
- ツール⇒ライブラリーの管理⇒ライブラリーを検索する
Analystとの互換性
特定のバージョンの分析をどのバージョンのAnalyst で開けるかについては後方互換性と前方互換性を分けて説明します。
後方互換性
基本的には分析ファイルは同じもしくはより新しいバージョンのAnalystから開けますが、下表のとおりに一部制限があります。
分析ファイルのバージョン | 分析を開けるAnalystのバージョン(後方互換性のみ記述) |
3.0より前 | 分析と同じバージョン以降、かつ、10.7まで |
3.0以降、5.5より前 | 分析と同じバージョン以降、かつ、12.2まで |
5.5以降 | 分析と同じバージョン以降 |
前方互換性
前方互換性はSpotfire 7.5よりサポートされていますが(参考資料)、各バージョンのAnalystのリリースノートに記載されています。
通常は、1つ前のInnovationバージョンと1つ前のLTSバージョンまで前方互換性が保証されています。
例えば、Analyst 14.0(リリースノート)の場合は「Migration and Compatibility」の章にある下表の記載通り(一部抜粋)、Analyst 14.0で保存した分析ファイルの場合は前方互換性のあるバージョンは 12.5 と 12.0 LTS です。前方互換性のあるバージョンの意味合いとして、バージョンが 12.5 や 12.0 の分析を開けるAnalyst バージョンであれば、14.0で保存した分析を開くこともできます。すなわち、分析のバージョンが14.0の場合、Analyst 12.0 / 12.1 / 12.2 / 12.3 / 12.4 / 12.5 からも開けます。
注意事項として、分析を前のバージョンのAnalystで開いた場合は新しいバージョンの機能が動作せず、前のバージョンで保存すると新しいバージョンの機能で設定した内容が失われてしまう可能性があります。
分析のプロパティ「Format Version」にも該当分析の前方互換性のあるバージョンが記載されています。
下記例では分析のバージョンが14.0であり、前方互換性のあるバージョンは12.5と12.0でます。
Format Version 14.0;12.5;12.0
前方互換性の無効化
分析ファイルを保存する際に使っていたAnalystの環境設定によって、前方互換性のない分析が作成される場合もあります。(参考資料)
前方互換性の有無は、「ツール」⇒「管理マネージャー」⇒「設定」タブにある以下の設定項目によって制御されます。
・Application ⇒ ApplicationPreferences ⇒ SaveCompatibilityVersion:
・True、空白(デフォルト):前方互換性ありで分析を保存する
・False:前方互換性無しで分析を保存する
「SaveCompatibilityVersion」がFalseに設定されている場合はAnalystで保存した分析には前方互換性はありません。すなわち分析ファイルはそれより前のバージョンのAnalystから開けません。
この場合、分析ファイル内の「Metadata.xml」内に前方互換性のバージョンに関する記述がなくなります。
ライブラリーに保存した後、分析のプロパティ画面では「Format Version」が「14.0」となり、前方互換性がないことを示しています。
参考資料