概要
本記事では、すでにTIBCO Activation Service (TAS) でライセンス管理を行っている環境で、稼働中の既存製品に影響を与えることなく、安全に新しいTIBCO製品のライセンスを追加(拡張)するための、正式な手順を解説します。
前提条件
本手順を開始する前に、以下の条件が満たされていることを確認してください。
・TIBCOライセンス管理ポータルへのアクセス権があること。
・ライセンスを追加したいTASサーバーへのアクセスが可能であること。
・TASサーバーのホストIDを把握していること。
(不明な場合は、TASサーバー上でtib-activate server hostidsコマンドを実行して確認できます)
・新しくライセンスを追加したい製品が、すでにクライアントサーバーにインストール済みであり、その製品のライセンス参照先が、対象のTASサーバーを向くように設定済みであること。
手順
本記事の以下の手順は、あらゆるTIBCO製品の追加に応用できる汎用的なものですが、スクリーンショットを含む解説では、以下の具体的なシナリオを例として用います。
- 更新前の状態:
TIBCO BusinessWorksとTIBCO Rendezvousの2製品のライセンスが適用されている。 - 追加する製品:
TIBCO Enterprise Message Service - 更新後の状態: 上記3製品すべてのライセンスが適用されている。
読者の方は、ご自身の状況に合わせて、製品名を適宜読み替えてください。
パート1:TIBCOポータルでのライセンス再生成
このパートでは、TIBCOのライセンス管理ポータルで、既存の製品に新しい製品を追加した、新しいライセンスファイル(.binファイル)を作成します。
1. 既存ライセンスファイルの削除
1-1. TIBCOライセンス管理ポータルにログインし、左側のメニューから Your Licenses をクリックします。
(TIBCOソフトウェアダウンロードサイトにて、[My Account]>[TIBCO Licenses]を選択することでTIBCO License Portalにアクセスできます。)
1-2. Your Licensesの一覧の中から、今回更新したいTASサーバーのライセンス(今回は例としてtas-secondary-2-productsを使用します)を見つけます。
1-3. その行の一番右端にある、ゴミ箱のアイコン (Delete icon) をクリックし、表示される確認メッセージに従って削除を確定します。
確認のメッセージが表示されたら、削除を確定してください。
2. 新しいライセンスの作成
既存のライセンスが一覧から消えたことを確認したら、新しいライセンスを作成します。
2-1. 画面の右上にある青い + New License ボタンをクリックします。
2-2. 表示された「Create License」のポップアップ画面で、以下の通り入力・選択します。
License Name: 後で分かりやすい一意の名前を入力します。Specific Hostを選択します。ID: 対象となるTASサーバーのホストIDを入力します。- 製品一覧: 一覧の中から、これまでライセンスされていた既存の製品と、今回新しく追加したい製品の両方にチェックを入れます。
2-3. Create & Download License ボタンをクリックし、新しいライセンスファイル(.binファイル)をPCにダウンロードします。
2-4. 下記のように、正常にライセンスファイルが生成され、自動的にダウンロードされます。
パート2:TASサーバーでのライセンス適用
このパートでは、パート1でダウンロードした新しいライセンスファイル(製品が追加された.binファイル)を、TASサーバーに適用(アップロード)します。
1. ライセンスファイルの転送
ダウンロードした.binファイルを、お使いの環境に応じた方法でTASサーバーに転送します。
- (参考)一般的な転送方法
- Windowsの場合: WinSCPなどのSFTPクライアントソフトを使用するのが便利です。
- Linux/Macの場合:
scpコマンドを使用します。scp -i "秘密鍵.pem" "ダウンロードしたファイル.bin" ユーザー名@サーバーのIPアドレス:~/
- AWS環境の場合: S3バケットを経由してファイルを転送することも有効な手段です。
2. ライセンスのアップロード
TASサーバーにログインし、以下のコマンドを実行してライセンスを適用(上書き)します。このコマンドは、古いライセンスを安全に上書きします。
tib-activate license upload "/path/to/your/new_license_file.bin"
(/path/to/your/new_license_file.binの部分は、転送したファイルの実際のパスに置き換えてください)
tib-activate license uploadコマンドを実行し、「Upload successful.」と表示されていれば成功です。
パート3:更新内容の確認
このパートでは、ライセンスが正しく拡張されたことを、TASサーバー側とクライアントサーバー側の両方で確認します。これが、この手順の最終的なゴールです。
1. TASサーバーでの確認
ライセンス適用後、TASサーバーで以下のコマンドを実行し、ライセンスが正しく更新されたことを確認します。
tib-activate license list
【チェック項目】 出力されたリストで、以下の2点を確認します。
- ✓ 製品リストの確認:
featureNameの項目に、新しく追加した製品(例:TIBCO_EMS_CCS)がリストに含まれていることを確認します。 - ✓
issued(発行日)の確認: 値が、パート1でライセンスを再生成した日付に更新されていることを確認します。
| 差し替え前 | 差し替え後 |
~下記省略~ | ~下記省略~ |
2. クライアントサーバーでの確認
最後に、クライアントサーバーで、新しく追加した製品がライセンスを認識して正常に起動・動作すること、そして既存の製品が影響を受けていないことを確認します。
2-1. クライアントサーバー(製品が動作しているサーバー)にログインします。
2-2. 【新しく追加した製品の確認】 新しく追加した製品を、所定の手順で起動します。
2-3. 【既存製品の確認】 既存の製品が稼働し続けていることを確認します。
まとめ
本記事の手順に従うことで、TIBCO Activation Service (TAS) サーバーに、新しい製品ライセンスを安全に追加・拡張することが可能です。
この手順の最も重要な点は、TIBCOポータルの新しいUIでは、まず既存のライセンスを削除し、改めて必要なすべての製品(既存製品+追加製品)を含むライセンスを新規作成することです。
この「上書き」のプロセスを経ても、稼働中の既存製品は停止することなく、新しく追加された製品のみがライセンスを認識して正常に起動でき、24時間365日稼働するシステムにおいても、安全にライセンスの拡張作業を実施できます。
FAQ
Q1. この作業中、すで稼働している製品は停止しますか?
A1. いいえ、停止しません。tib-activate license uploadコマンドは既存のライセンスを安全に上書きし、稼働中の製品は定期的なライセンス再検証のタイミング(例:1時間または24時間に1回)で自動的に新しいライセンスを認識するため、サービスの停止や再起動は不要です。
Q2. 新しく追加する製品側の設定は、いつ行えばよいですか?
A2. 製品をインストールした後、初めて起動する前に、ライセンス参照先をTASサーバーに向ける設定(.traファイル や.confファイル、環境変数など)を済ませておくのが最も確実です。
Q3. ライセンスファイルを生成したら、同じ製品なのに有効期限が違うものが複数含まれていました。
A3. はい、これはTIBCOサポートに確認済みの、新しいポータルの正常な仕様です。製品を選択すると、その製品で利用可能なすべての有効な契約がライセンスファイルに自動的に含まれます。 TIBCOサポートによると、これは公式にサポートされている構成であり、TASサーバーはファイルに含まれる複数のライセンスの中から、最も有効期限が未来のものを自動的に選択して認証を行います。