SalesforceをTDVのデータソースとして追加する手順について説明します。
検証環境
製品 | バージョン | 備考 |
---|---|---|
TDV | 8.5.2 | Windows Server 2019 で実行 |
Salesforce用アダプタ
TDV 8.5ではSalesforce接続用のビルトインアダプタとして以下2種類のアダプタが提供されています。
アダプタ |
提供元 | サポート |
---|---|---|
TIBCO社 | TIBCO社によりサポートが提供されます。 | |
CData社 | TIBCO社によりサポートが提供されます。 |
本記事ではそれぞれのアダプタを利用してSalesforceからデータを取得する実際の例を示しながら利用方法を説明します。
Salesforce.com アダプタ
本番環境への接続
1. 接続設定
構成タブの基本タブで以下の情報を入力します。
- Username
- Password
信頼済みIPアドレスの登録が未実施の場合は、セキュリティトークンをパスワードの末尾に付与する必要があります。
例)パスワードがpassword
、セキュリティトークンがtoken
の場合、passwordtoken
2. 接続確認
接続テストをクリックして正常に接続できることを確認します。
3. イントロスペクト
リソースの追加/削除をクリックしてイントロスペクト対象とするリソースを選択し、次へをクリックします。
イントロスペクト対象のリソースを確認し、終了をクリックします。
イントロスペクトが成功したことを確認し、OKをクリックします。
4. データ取得
取り込まれたテーブルからデータが取得(プレビュー)できることを確認します。
Sandbox環境への接続
Sandbox環境への接続方法は以下のとおりです。
1. 接続設定
構成タブの基本タブでUsernameフィールドに入力する値の末尾に.[Sandbox名]
を付加します。
例)ユーザ:user@example.com
、Sandbox名:dev
の場合、user@example.com.dev
さらに、構成タブの詳細タブでURLをhttps://test.salesforce.com/services/Soap/u/37.0
に変更します。
2. 接続確認~データ取得確認
本番環境への接続の2以降を実施します。
Salesforce with SSO アダプタ
本番環境への接続
1. 接続設定
構成タブの接続タブで以下の情報を入力します。
-
Security Token
- 信頼済みIPアドレスの登録を実施済みの場合は、セキュリティトークンの入力は不要です。
- User
- Password
本番環境への接続のため、ここではUse Sandboxチェックボックスの✓は外しておきます。
さらに、構成タブの接続タブでOther
(Max Rows
の下)に以下のプロパティを追記します。
ReturnCatalog=True;ReturnSchema=true;Catalog=CIS;pseudocolumns='null=null';NaturalColumnOrdinal=False;
また、トラブルシューティング用にSalesforce with SSOアダプタ固有のログを出力する必要がある場合には、以下のプロパティを追記することで対応可能です。
Logfile=[Salesforce with SSOアダプタ固有のログファイル出力先];Verbosity=5;
例)Logfile=C:\Program Files\TIBCO\TDV Server 8.5\logs\sfdc_sso.log;Verbosity=5;
2. 接続確認
接続テストをクリックして正常に接続できることを確認します。
3. イントロスペクト
リソースの追加/削除をクリックしてイントロスペクト対象とするリソースを選択し、次へをクリックします。
イントロスペクト対象のリソースを確認し、終了をクリックします。
イントロスペクトが成功したことを確認し、OKをクリックします。
4. データ取得
取り込まれたテーブルからデータが取得(プレビュー)できることを確認します。
Sandbox環境への接続
Sandbox環境への接続方法は以下のとおりです。
1. Use Sandbox有効化
構成タブの接続タブでUse Sandboxチェックボックスに✓を入れます。
2. 接続確認~データ取得確認
本番環境への接続の2以降を実施します。
信頼済みIPアドレスの登録
以下の手順により、TDV ServerのIPアドレスを信頼済みIPアドレスとしてSalesforceに登録できます。
1. Salesforceにログインし、設定の管理 > セキュリティのコントロール > ネットワークアクセス
に移動します。
2. 信頼できるIPアドレスのリストに接続元となるTDV ServerのグローバルIPアドレスを追加します。
注意)上記は、2022年6月時点における手順であり、今後Salesforceの仕様変更により設定方法は変更となる可能性がありますので、ご注意ください。
キャッシュ設定における制約
Salesforce.comアダプタおよびSalesforce with SSOアダプタにより追加されたデータソースを複数テーブルモード(デフォルトキャッシュデータベース、キャッシュターゲットいずれも)でキャッシュしようとすると、テーブル作成に失敗することが確認できています。
これは、Salesforceアダプタを使用してイントロスペクトされるテーブル構造が、実際にはSObjectというデータ構造であり、いわゆるリレーショナルデータベースで実現される構造とは異なるためです。
したがいまして、Salesforceデータをキャッシュする場合は、まず、それを入力とするビューを作成し、そのビューをキャッシュするようにしてください。
また、ビューを作成する際には、その後のデータサービス開発において必要となるカラムだけを選択し、カラム名やデータ型を正規化することを推奨します。