概要
本パートでは、以下の操作を確認します。
- Spotfire application for Windowsで作成した分析ファイルを、ライブラリ機能で共有する。
- Spotfireサービスである、Web ブラウザからの分析ファイルの閲覧機能を利用する。
- サーバへの事前データロードにより、Webブラウザから閲覧する分析ファイルの起動を早める方法を設定する。
前提条件と要件
本パートでは、以下を前提とします。
- 生産部門のメンバーがパート2ー2で作成したインフォメーションリンクを用いて、「生産工程ダッシュボード」を作成した。
また、本パートでは、以下を要件とします。
- 毎日行っている10:00からの定例会議にて、上記分析ファイルを関係者がブラウザを介して閲覧したい。
- 生産工程ダッシュボードは、生産部門のメンバーのみが閲覧できる状態にしたい。
- データサイズに起因する分析ファイルの起動の遅延を、可能な限り改善したい
以上の要件を満たすため、
本パートでは、以下を実施します。
| 要件 | 内容 |
| 毎日行っている10:00からの定例会議にて、上記分析ファイルを関係者がブラウザを介して閲覧したい | ライブラリ機能とWeb閲覧機能を組み合わせて、生産工程ダッシュボードをブラウザを介して閲覧が可能な状態にする |
| 生産工程ダッシュボードは、生産部門のメンバーのみが閲覧できる状態にしたい | アクセス権限管理で、閲覧できるアカウントを制限する |
| データサイズに起因する分析ファイルの起動の遅延を、可能な限り改善したい | Scheduled updatesで、Web Playerサーバーへの事前ロードを実行する |
作業内容
今回は、以下のステップで作業を進めていきます。
ステップ1:ライブラリ上のフォルダの作成
分析ファイルの格納先であるライブラリ上のフォルダを作成します。
ステップ2:フォルダへのアクセス権限設定
フォルダに対するアクセスや操作が可能なユーザーを制限するための、アクセス権限設定を行います。
ステップ3:サービスアカウントへのアクセス権限付与
事前設定として、サービスアカウントへのアクセス権限の付与を行います。
ステップ4:Scheduled updatesの設定
事前データロード機能である「Scheduled updates」の設定を行います。
※ 作成された分析ファイルは、データキャンバスの設定である「データロード」について、以下の設定であることを前提とします。
「常に新規データ」または「可能な場合は新規データ」のみ
※ デフォルトでは、「常に新規データ」となっています。
ステップ1:ライブラリ上のフォルダの作成
ライブラリとは、以下のようなファイルをSpotfire システムに格納することができる機能です。
- 分析ファイル
- データソース接続コンポーネント(インフォメーションリンク、データ接続)
- SBDFファイル
- ジョブファイル
以上のファイルをフォルダ単位でまとめることで、整理・アクセス制御することができます。
Spotfireにおけるフォルダの作成は、以下のいずれか満たすアカウントのみで実施可能です。
・ ビルトイングループのAdministrator または Library Administratorに所属している。
・ 対象のフォルダに対して、「参照+アクセス+変更」のアクセス権限を有していること。
※ ライブラリのフォルダ設定について、本ステップではSpotfire application for Windowsの「ライブラリーの管理」機能を利用しますが、Spotfire ServerのWeb管理画面上でも設定可能です。
まずは、生産工程ダッシュボードを格納するフォルダ「生産工程」を作成します。
フォルダの作成方法は主に3つあります。
- Web管理画面のライブラリー管理ページでの操作
- Spotfire application for Windowsの「+」ボタン画面での操作
- 「ライブラリーの管理」画面からの操作
本ステップでは、1つ目のライブラリー管理ページでの操作について、説明します。
※ 3つ目については、弊社記事の「ライブラリのアクセス権限設定」を参照ください。
まず、Web管理画面にログインし、Libraryのアイコンをクリックすると、ライブラリー管理ページに遷移します。
フォルダ「生産部門」をクリックし、フォルダを開きます。
開いたら、上部にある「フォルダの作成」をクリックします。
「生産工程」と入力します。
フォルダ「生産工程」が作成されたことを確認します。
ステップ2:フォルダへのアクセス権限設定
Spotfireにおけるアクセス権限は、フォルダ単位で設定されます。
※ 概要は、0パート Spotfire用語集のライブラリーと保存可能なファイルの章を確認ください。
アクセス権限設定は、「ライブラリーの管理」機能を利用する必要があるため、以下をすべて満たすアカウントのみで変更可能です。
・ ビルトイングループのAdministrator または Library Administratorに所属している、または、対象のフォルダに対するアクセス権限が割り当てられている。
・ 製品ライセンスのフィーチャーである Library administration が有効化されたグループに所属している。
フォルダへのアクセス権限設定は、以下の2つの方法があります。
・ Web管理画面のライブラリー管理ページでの操作
・ 「ライブラリーの管理」画面からの操作
本ステップでは、1つ目のライブラリー管理ページでの操作について、説明します。
本ステップでは、ステップ1で作成した生産工程フォルダに対して、グループ「生産部門」に所属しているユーザーアカウントのみがアクセスできるように設定します。
ライブラリー管理ページ上で、先ほど作成したフォルダ「生産工程」をクリックします。
クリックすると、上部に選択肢が表示されますので、「詳細」をクリックします。
表示された右欄から「権限」タブを選択し、表示された「権限を編集」を選択します。
左上の「親フォルダからのアクセス権限の継承」のチェックを外します。
生産部門のみのユーザーアカウントにアクセス権限を絞るため、グループ「Everyone」のアクセス権限を削除します。
削除するため、Everyoneのレコードにカーソルを合わせ、表示された「×」をクリックします。
※ Library Administratorは、ビルトイングループであるため、本ステップは削除しません。
次に、グループ「生産部門」に対してアクセス権限を付与します。
グループのレコードにカーソルを合わせ、表示された「+」をクリックします。
「+」を押すと、アクセス権限の選択肢が表示されます。
生産部門のユーザーに対して、分析ファイルの保存等ができるようにするため、「変更(+参照+アクセス)」を選択し、
保存を選択します。
「変更」にグループ「生産部門」が表示されたので、設定が完了していることが確認できます。
ステップ3:サービスアカウントの権限確認
Scheduled updatesが実行されると、システム上では以下のサービスアカウントが実行していることになります。
Scheduled Updates System Account
上記サービスアカウントが適切にScheduled updatesを実行するために、以下の条件を満たしていることを確認します。
- (デフォルト)グループ「Scheduled Updates Users」に所属している。
- 分析ファイルにアクセスできるよう権限が付与されている。
ここで、後者の条件であるアクセス権限は、以下の二通りの方法のどちらかで設定可能です。
- 関連するファイルが格納されているフォルダに対する「参照+アクセス」権限を付与する。
- ビルトイングループであるLibrary Administratorに割り当てる。
本パートでは①を利用します。
具体的には、利用する「生産工程ダッシュボード」は生産部門のみがアクセスできるフォルダ「生産工程」に格納します。
そのため、今回はScheduled Updates Usersに対して、フォルダ「生産工程」への「参照+アクセス」権限を新しく付与しました。
パート1および本パートのステップ2をそれぞれ参照しつつ、上記設定を完了させます。
ステップ4:Scheduled updatesの設定
Schedule updatesは、分析ファイルおよび対象データを、Spotfire Web Playerのサーバーのメモリに事前にロードしておく機能です。
これにより、Webブラウザで分析ファイルを閲覧する際のデータロード時間を短縮することができます。
本設定は、以下を満たすアカウントのみで設定・変更可能です。
・ ビルトイングループであるAdministratorまたはScheduling and Routing Administratorに割り当てられている。
Scheduled updatesの設定では、以下の2種類の設定を行います。
- ルール : ロードする分析ファイルやロード先としてのリソースプールの設定などを定義します。
- スケジュール: 上記ルールに対して、ロードする期間やデータ更新頻度などを設定します。
まず、前ステップで作成したフォルダ「生産工程」に、生産工程ダッシュボードを保存します。
Spotfire application for Windows で生産工程ダッシュボードを開き、上部タブの「ファイル>名前を付けて保存>ライブラリー項目」を選択します。
フォルダ「生産工程」を開き、生産工程ダッシュボードとして保存します。
次に、Web管理画面上でScheduled updatesの設定を行います。
Web管理画面にログインし、「Scheduling & Routing」をクリックし、設定ページに遷移します。
まず、スケジュールを作成します。
まず、左欄にある「Saved schedules」を選択して画面を遷移した後に、左上の「Create new schedule」をクリックします。
表示された設定画面より、スケジュール設定を行います。
本パートの要件を踏まえ、以下のように設定しました。
設定が完了したら、Saveをクリックします。
| 項目 | 内容 |
| Scheduled name | 生産工程ダッシュボード - 日次定例 |
| Repeat on these days | Mon, Tue, Wed, Thu, Fri |
| Start loading file | 09:30 |
| Unload file | 11:00 |
| Time zone | Asia/Tokyo (GMT+09:00) |
| Only load new data at start of schedule |
スケジュールが登録されていることを確認します。
次に、ルールを作成します。
左欄にある「Rules」を選択して画面を遷移した後に「Create rule > Analysis rule」を選択します。
生産工程ダッシュボードを選択します。
表示された設定画面より、ルール設定を行います。
本パートの要件を踏まえ、以下のように設定しました。
| 項目 | 内容 |
| Analysis file | 生産工程ダッシュボード |
| Rule name | 生産工程ダッシュボード |
| Select resource pool | Use default routing rule |
| Number of instance | 1 |
| Priority | 0 |
さらに、ルールにスケジュール設定を追加するため、「Add schedule」をクリックします。
すでに、スケジュールは作成しているため、表示されたポップアップから「Saved schedule」をクリックします。
※ ルールに割り当てるスケジュールは、画面に表示されている「New schedule」から作成することも可能です。この場合、スケジュールはルールに紐づけられます。
先ほど作成したスケジュール「生産工程ダッシュボード - 日次定例」を選択し、「Add schedule」をクリックします。
先ほどの設定が反映されていることを確認し、Saveをクリックします。
ルールが登録されていることを確認します。
以上の操作により、9:30から11:00までの間、Web Player サーバにデータが保持されるようになりました。
これにより、Webブラウザからの閲覧者は、分析ファイルを起動する際のデータロード時間が短縮されます。